揺れない瞳
実の父親だというのに、私には脅威に似た距離しか感じない人。

私の生活を経済的に支えてくれているし、今は私を娘として情を持って接してくれるけれど。

幼い頃からの感情はたやすく消す事は出来ないから…。

逃げるに近い事を繰り返すだけ。

父親だというのに…。
私は、娘が持つ普通の感情を父に対してもてないし、これからも。

幼い頃に、私への愛情や権利、義務全てを放棄した父親に対して、普通に素直に接する事ができるなんて無理だと、わかっていないのか…。

真っ暗な部屋の中で、心を浮上させるように目を閉じてみても、やっぱり無理だと気付いて。

…とにかく泣いて泣いて・・・。

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