揺れない瞳

…いつの間にか私の頬に手を当てて、じっと私を見つめてる央雅くんは一人で納得して笑ってる。
私の混乱する気持ちなんか無視してるように。
その混乱する私を面白がってるように…。

「俺のバイトが入ってない時にしか結乃にバイトさせないように瞳さんに言ってるから」

「は…？」

央雅くんの思いがけない言葉が理解できなくて、何も言えないままに立ち尽くす私をそっと抱き寄せると、私の耳元に唇を寄せて

「そういうことだから」

甘い吐息と共に。曖昧な言葉とにやりとした笑顔を残して。

央雅くんは、帰っていった。