シェリの旅路
その頃、チュチュシティの

深い森を行く三人組は街を

目指して歩みを進めていた。


「おーい!フラン!

街は見えるか?」


ジオとキミは森を行き、

フランは森の上空を飛んでいた。


「そのまま進めばあるわ。

夜には着くんじゃない?」


フランは前方にうっすら

確認できる街を見て言った。


『ジオ、疲れた?』


胸ポケットでキミは問う。


「お前が重いからだろ?」


ジオはいたずらっぽく言う。


『もうジオったら!

レディにそんな事言っちゃ

ダメなんだからね!』


キミは怒って胸ポケットから

飛び出した。


「ははっ!怒るなよ。

嘘だよ、嘘」


ジオはキミの頭を人差し指で

ちょんちょんとそっと叩いて

とびきりの笑顔で言った。


『ジオのいじわる』


キミは頬を膨らませて言う。


(……あの二人はなんであんなに

息ぴったりな上になんだか

微妙にいい雰囲気なのかしら?)


二人の様子を上空から見ていた

フランは呆れた。


どこか胸に違和感を覚えながら。


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