シェリの旅路
「あなたの演奏会に行ったこと

あるわ。いい曲よね。

でも、残念ながら私達は神に

選ばれたんじゃない。

愛を失った者に共鳴しただけ」


フランは真顔で言う。


「!?それどういうこと?」


フランの話を聞いて

ヴァネッサは信じられない

様子だ。


ちょうどその時、馬の蹄の音が

こちらへ向かってきた。


「誰かくる。

……愛を失った者か?」


ジオは身構えて言う。


「いいえ。魔力を感じられない。

……共鳴者?」


フランは音のする方向を

目を凝らして見る。


しばらくすると前方に

白馬が見えた。


その背には少年が乗っている。

金髪のサラサラとした

ストレートの髪が

風に揺れている。


少年はこちらに気付き、

少し馬を急がせて走り、

四人の前で馬を降りた。


< 110 / 261 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop