シェリの旅路
「えっとそれにつきましては

僕からお話申し上げ?

……致します」


勇気のない男は自分より年下の

王子にものすごく腰がひけた。


『ジオったら変なの。

王子様は敬語使わなくて

いいって言ったじゃない。

わたし、妖精のキミ。

こっちは勇気の心を失った

ジオランダス。

ジオって呼んでね』


頼りないジオの代わりに

キミが自分の分も含めて

自己紹介した。


「よろしく」


ハーヴァルドは軽く会釈した。


「自己紹介はすんだでしょ?

さっさと話してくれない?

っていうかあたしも旅しないと

いけないの?」


ヴァネッサは先ほどの

ハーヴァルドへの自己紹介の

時とは明らかに違う態度で

言った。


『まぁ。さっきと態度が

全然違う。人を見て性格変える

イジワルさんには

キミ教えてあげないもん。

あなたは優しい心でも

なくしたんじゃない?』


人間の心がそのまま

具現化しているキミは

素直なため失礼な事も

平気で言ってしまう。


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