シェリの旅路
二人のジオがいた。


ミルが愛したジオと


ミルと向き合えなくなったジオ。


心の葛藤の夢。


目覚めた時、ジオは泣いていた。


夢は覚えていなかったが

どうしようもない孤独感、不安

に襲われた。


―嫌だ。怖い。キミはミルだ。


そう思っていないと

生きていけそうになかった。

それならもういっそ

死んでしまった方がいいと

思っても死ぬのが怖い。

死んだ先になにがあるか

わからないから恐い。

愛しい人を人目でも見られる

チャンスのあるこの世から

いられなくなるのが恐い。

彼女を忘れてしまうのが

一番恐い。


ジオは泣きつかれて

眠ってしまった。


また自分の問題に蓋をして。
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