シェリの旅路
その頃、フランは寝苦しくて

起きた。



……たぶん共鳴者全員が

集まった。

ヴァネッサ以外は皆いい人。

ハーヴァルドなんて王子なのに

皿洗いもする。

ハーヴァルドはまだ

わからないけどジオとキミは

一緒に旅をしていて

信頼してもきっと大丈夫な人達

だと思った。


―だけど、まだ本当に信頼は

できない。心を開くのが恐い。

……今は無理だけどいつか

できるかしら?



信頼しなければならない仲間が

増えて、彼女は正直

息がつまりそうだった。


―私は信頼されてるのかしら?

魔法が使えるから

……みんな心のどこかで

魔女って恐れてないかしら?



ため息をつきながら

右へ左へ寝返りを何度もうつ。


親友と元婚約者から受けた傷は

本人の想像以上に深い。
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