シェリの旅路
2年前、お母さんは

馬車にひかれて亡くなった。


院長先生も

手を尽くしてくれたが

打ち所が悪く

どうしようもなかった。



私は唯一の家族である

母まで亡くし、

天涯孤独になってしまった。



そんな私にショーンが

手を差しのべてくれた。



私はショーンの病院の

住み込み魔法使いになった。


雇われ魔法使いではない。


将来的なことを考え、

彼と私は婚約したのだ。


院長先生の考えはわかっていた。


病院の薬を作る魔法使いが

嫁にくれば

薬の材料費だけの支払いで

よくなり、経費削減できる

というのが大体の魂胆だろう。


けれど、私はショーンが好きで

ショーンも私のことを

大事にしてくれていたから

何の問題もなかった。




婚約してから

お互い意識し始め、

自然と愛し合うようになった。


学校を卒業したら

すぐに結婚。


そう思うだけで

心は温かくなった。


あと2年が待ち遠しく思えた。

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