シェリの旅路
だけど、その後も

ショーンから

もらったものだけが

なくなっていった。


仮病をつかって学校を

休むこともあったが

優しい院長先生は

休む度に私を診てくれた。


もちろん体はどこも

悪くなかったからショーンを

心配させるだけだった。


私は病院をやっている家族や

私の薬を飲んでいる患者さんを

心配させないように

元気でいなければいけなかった。


病院の評判がおちては

家族に申し訳ないから

自分の気持ちを押し殺した。


だけど、さすがに

耐えられなくなって

私はついにショーンに

打ち明けた。


「どうして早く言って

くれなかったんだ?

辛かっただろう?」


ショーンは私のために

泣いてくれた。


抱きしめてくれた。



―嬉しかった。


こんなにも私を

心配してくれる人が

側にいるんだと思ったら

安心した。


この人を支えるために

強くなりたいと思った。


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