シェリの旅路
その夜、フランは窓から

夜空を見ていた。


少し心に余裕を取り戻せて

星も月も美しく感じる。


フランは空に散歩に行こうと

窓に手をかけた。


(いい気分転換させてもらったし

ハーヴァルドも誘ってみるか)


フランはハーヴァルドの

部屋に向かった。


フランの隣の部屋の

ヴァネッサはフランの

出ていく気配に気付き、

そっとドアをあけて様子を伺う。


「ハーヴァルド、これから

散歩に行かない?」


「え!はい!喜んで」


律儀なフランの落ち着いた声と

突然の嬉しい申し出に喜ぶ

ハーヴァルドのはずんだ声。


(今のハーヴァルドの

〝え!〟はファ#ね。

……ってそうじゃなくて

チャンス到来じゃない!

二人を近付けるチャンスよ!)


ヴァネッサは突然の

チャンス到来に

どう二人の手伝いをしようかと

考え、落ち着きなく

部屋を歩き回る。


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