シェリの旅路
そんな二人を見ていた

ヴァネッサは、キミをジオから

借りてきた。


恋を学べないキミに

絶対に見せる必要がある。


『なぁに?ヴァネッサ』


キミは彼女が苦手なため

腰がひけ気味だ。


「外見て。

フランとハーヴァルド

見えるでしょ?」


ヴァネッサは夜空にいる

二人を指差した。


『あ、うん。おー……』


二人に声をかけようとする

キミの口を慌ててふさぐ。


「いい?大人しくして

よく見てなさい。注目すべきは

ハーヴァルド。

あんたが人間に戻るための

いい勉強になると思うわ」


ヴァネッサはいたずらっぽく

笑って言う。


『え!?

ハーヴァルドは恋してるの?

フランに?』


キミは興奮してヴァネッサに

飛び寄る。


「さぁね♪自分で考えて

とにかくハーヴァルドを

観察なさい」


ヴァネッサはバイオリンの

ヴィラをケースから取り出した。


< 168 / 261 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop