シェリの旅路
「きっとシェリもお腹すいて

襲撃する気分じゃ

ないんじゃ……。

フラン、どうしたら人々は人間

に戻れるの?」


ヴァネッサはある疑惑が

浮かび確認する。


「突然、何?

たぶんシェリが愛を取り戻して

魔法を解くか

魔法をかけた本人が

死ぬかでしょうね」


朝食を作りながら

フランは言った。


テーブルに果物を置く

ヴァネッサの手がとまった。


「あたし、作曲するから

先にご飯食べといて。

あとで食べるわ」


ヴァネッサはスカートの裾を

持ったまま部屋に向かった。


仲間達はヴァネッサの

不思議な行動に

首を傾げながらも

作曲の邪魔をしないように

先に食事をはじめた。



部屋についたヴァネッサは

部屋のテーブルにかけてあった

テーブルクロスに

先ほど採ってきた

残りの果物を包んだ。


ヴァネッサは短い手紙も添えた。


「シェリ。水晶で見てる?

ただの果物だし

毒は入ってないわよ。

召し上がれ」


バイオリンのヴィラを取りだし

自分の力を信じて

バイオリンを弾く。
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