シェリの旅路
食事を済ませ、出発した一行は

ヴァネッサの歌を聞いていた。


「天から愛が降り注ぎ

可愛いあの子を照らすよ

さぁヤドリギを手にとり

あの子に愛を捧げよう♪」


ヤドリギ祭の時に焚き火を

囲んで歌う曲である。


「そういえば今日は

ヤドリギ祭だったわね」


ヴァネッサの歌う聞いて

フランは言う。


周りの人間が石になってしまい

誰もヤドリギ祭の準備を

しないのでヴァネッサ以外は

忘れていた。


「皆のために朝、

ヤドリギをとってきたのよ。

交換出来なくても焚き火の中に

投げ込めば一年健康でいられる

っていうでしょ?

はい、フランの分」


ヴァネッサは気味が悪いくらい

優しかった。


企みを成功させるためには

優しくもなれる。


フランに高度をさげてもらい

ジオやハーヴァルドにも渡す。


ジオはヤドリギを見て

懐かしんでいた。


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