シェリの旅路
金属が冷えるのを

あとは待つだけになり

ハーヴァルドはフランと

愛馬コーエンの世話をしていた。


誰よりも早く心を取り戻した

ハーヴァルドは恋人フランの

心を取り戻すために

尽くしていた。


フランは自分の事を

〝さん付け〟しなくなった

ハーヴァルドに

「やっぱりフランさんって

呼んだ方がハーヴァルドらしい」

と気まぐれに

意地悪をしてみせるが

「恋人に〝さん〟はつけません」

と広い心で対応し、

笑顔で抱きしめる。


彼女が気まぐれに

意地悪をする時は自分を

どこまで許してくれるかを

はかっているか構って欲しい

ときのどちらかである。


ハーヴァルドは、

女性と付き合う事も

初めてだったので

付き合いはじめは戸惑ったり

したがフランの意地悪は

喧嘩するに足りないほどの

可愛らしいもので

いつも二人を笑顔にし

距離を縮めた。


今では手を繋ぐのも

フランを抱きしめるのも

自然な事で、心を取り戻した

彼は恋愛を楽しんでいる。


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