シェリの旅路
「シェリを説得して

人々を元に戻させれば

この旅は終わりね。

あたし達が取り戻した心を

教えることはできても

取り戻すにはあたし達同様

時間が必要だし」


ヴァネッサの言葉に皆、

複雑な感情を抱いた。


この仲間達とは毎日

会えなくなってしまうという

淋しい気持ち、別れた後

皆それぞれどうするのかなど

つい考えてしまう。


「そうだな。でも、それが

オレ達の使命だし、

オレは故郷に帰って

ミルに謝らなきゃいけない」


ジオは淋しい気持ちもあったが

村に帰って早く恋人に

逢いたい気持ちも大きかった。


『じゃあ、キミは恋のお勉強で

ジオについてく。

ジオが恋人に謝って

告白しなおすところを

見届けなきゃ。

ウジウジしてたら

胸ポケットからジオの胸

蹴っちゃうんだから』


キミは笑って言う。


キミの明るい笑顔に

恋人二人は自分達の未来を

どうすべきか簡単には決めれず

様々な想いを抱いたまま

今はキミの明るさにすがって

笑うしかなかった。


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