シェリの旅路
「じゃあ、まずはあたしが

戦うわ。さぁ、早く

魔獣をよこしなさい!」


ヴァネッサは虚勢を張る

シェリにいい放った。


「ヴァネッサさん!

そんな大口叩いて

大丈夫ですか?」


ハーヴァルドが心配して言う。

「平気よ。こっちには女神様の

力もあるし、心だって

取り戻せたんだから勝てるわ」


ヴァネッサはにこりと

自信満々の笑顔で言った。


ヴァネッサの前に

巨大な魔獣が現れた。


木のような魔獣で

どっしりしている。


ヴァネッサはその大きさに

多少腰がひけた様子だったが

すぐに自信に満ち溢れ

先手必勝の体制をとった。


「レディは戦いには向いてない

から先に攻撃するわよ!

シェリ、よく聞いてて!

〝感謝〟」


ヴァネッサは〝感謝〟という

曲を奏ではじめた。


今思いついた曲だ。


この曲は仲間の士気を上げ、

魔獣にとっては苦しみとなり

大ダメージを与え、

戦闘不能となった。


そしてシェリの心を

少しだけ癒した。


「さぁ、上を目指しましょう」

ヴァネッサは清々しい

笑顔で言った。
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