シェリの旅路
「ハーヴァルド!

結婚式で

何か演奏させてよね!」


ヴァネッサは更に盛り上げる。

「もちろん!

皆さん必ず出席してください!」


動体視力も冴え渡り、

ハーヴァルドの迷いのない矢が

敵を射止めた。


「ハーヴァルド!」


フランは駆け寄って抱きしめた。


「心配させてごめんなさい。

フランのおかげで勝てました。

……僕はフランが側にいないと

だめみたいです。

愛しています。だから……僕と

結婚してください」


ハーヴァルドは

フランの手を握り、

プロポーズした。


「……はい。喜んで。

でも、世界が平安を

取り戻してからね」


フランはハーヴァルドの意を

汲み取って、いたずらに笑った。


ハーヴァルドは、

やはりこの人こそと

フランの素晴らしさを

再確認した。


『これが愛なんだね。

キミも心を取り戻せるかも』


恋する心を失った妖精は、

二人を見てうっとりする。


「良かったな。ハーヴァルド。

オレ達は先に上へあがってる。

キミに回復してもらってから

来てくれ」


ジオは言い、二人を連れていった。
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