シェリの旅路
フランがシェリの前に来て

座った。


魔法が使える者の特徴、

緑色の瞳同士が見つめあう。


「私は信じる心をなくしたの。

でも、この旅で信頼できる

仲間が出来たから聖獣も呼べた。

魔法使いも魔術師も元は

同じなの。違いは聖獣を呼ぶか

邪獣を呼ぶかだけ。聖獣は

信じる心があれば呼べるわ。

もし、あなたが魔法使いに

なりたいなら未来を諦めないで。

信じる心をあなたに」


フランは言って

シェリの手を握る。


『……キミはね、恋する心を

なくしたからシェリに

共鳴したわけじゃないんだけど

焦らなくていいと思うよ。

ゆっくり心を取り戻して

いってね。一人ぼっちでいたら

ダメだよ』


「どうやって生きていったら

いいっていうのさ?

父さんも母さんもいないんだよ?」


シェリはキミの言葉に

噛みついた。


シェリの言葉にジオ、フラン、

ハーヴァルドは少年がこれから

どうやって生きていくべきかは

話し合わないでいたことに

気付いた。


シェリは泣き出す。
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