シェリの旅路
ジオとキミは聖獣にお礼を

言ってから村へ向かった。


1年ぶりに戻ってくる村に

ジオは懐かしさと緊張を覚える。


人々が甦っているのを見て

キミはジオの胸ポケットに

入っていった。


『キミ、隠れとくね』


胸ポケットを覗く

ジオに小声で言う。


キミの姿を確認して

勇気付けられたジオは、


「よし!行くか」


村に足を踏み入れた。



キミは高鳴るジオの心音に

耳を傾けながら考えていた。


妖精の勘なのか、それとも

ミルの幻を見たからなのか

ジオのミルへの告白は、

成功すると確信していた。


成功したら愛し合う二人を

陰で見守り、心を取り戻す

勉強をするのか……しかし、

それはジオの邪魔に

なるのではないか……

それなら……もうジオの側には

いられなくなる。


ジオの幸せを願っていたはず

なのに別れが来ることを悟ると

急に胸が苦しくなった。


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