シェリの旅路
ジオは花畑に向かって

歩いていた。


廃屋の教会に入り、

鍵を確認する。


鍵は開いていた。


ミルはいるだろうかという

不安を抱えながら梯子を下る。


深呼吸して目をつむり、

回れ右をする。


勇気を出して、

そっと目を開けると

花に囲まれて眠るミルの姿が

飛び込んできた。


ジオはそっとミルに近寄り、

頬に触れた。


ジオの温もりを感じとってか

ミルは目を覚ました。


「……ミル」


突然目を覚ましたミルに

まだ心の準備ができて

いなかったジオは戸惑う。


「……ジオ?」


ミルはゆっくりと身を起こして

ジオの頬に触れる。


「……ミル、聞いてくれ」


ジオはミルが自分の頬に

伸ばした手を握り、

腹をくくって話始めた。

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