シェリの旅路
「痛っ!」


遊びに来ていたシェリの友人の

一人が転んで足をすりむく。


ミルはその子に近付き、


「大丈夫?」


と問いかけ、治癒魔法を使った。


「うわぁ!すごい!

ありがとう、お姉ちゃん!」


子供は感激してまた

鬼ごっこに復帰した。


それを見ていたヴァネッサは


「ミルは……魔法使いなの?」

何か心にひっかかるものが

ありながら問いかけた。


彼女の問いにミルは首をふって


「治癒魔法しか使えない。

……女神様のおかげかな?」


いたずらに笑って言った。


「……キミなの?キミなのね!」


ミルの言葉を聞いて

ヴァネッサは感激して震えた。

「久しぶり。ヴァネッサ」


ミルはヴァネッサに抱きついた。


「すごいわ!こんな事って!

ジオは?ジオは知ってるの?」


「ううん。ジオは似てるだけと

思ってるから。

一年間、わたしを忘れようと

して浮気ばっかりしたから

教えてあげないの」


ヴァネッサの問いにミルは

少し怒って言った。
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