シェリの旅路
ジオは立ち上がり

服についた土を払った。


『うん!

お話聞かせてくれてありがとう。

キミ、とりあえず世界を旅して

まわって人を探すの。

女神アフロディア様からの

命令よ』


キミはペコリと

丁寧にお辞儀をして言った。


「お前も旅してるのか?

てっきりここの花畑に

住んでるのかと思ってたよ」


『気付いたらここにいたの。

キミお花が大好き!

いい香りだし

飛ぶ練習もかねて

もう3日はここにいるよ。

飛んでて途中で疲れて

落ちてもお花が優しく

守ってくれるの』


キミは小さな体を

いっぱいに使って

自分とほぼ同じ身丈の花を

抱きしめて言う。


(……ミルも花が大好きだったな)


キミの何気ない一言で

別れた恋人のことを思い出す。

「オレ、これから街まで

行くんだ。一緒にいくか?

飛びなれてないんだろ?」


ジオは気がつくと

キミを誘っていた。


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