シェリの旅路
『え!いいの?うん!

キミ街まで一緒に行く!』


「よし。……オレの名前は

ジオランダス。

ジオでいい。お前はキミだな?」


『うん。キミ。

お兄さんはジオっていうんだね。

よろしく』


キミは嬉しそうに微笑んだ。



〝お兄ちゃんは

ジオっていうんだね。

よろしく。

わたしはミルクレア。

ミルっていうの。5才〟


〝オレ……背高いけど

同じ5才だから

お兄ちゃんじゃないよ〟



ジオはキミの無邪気な笑顔を

見て、村に越した日の事を

思い出した。


彼の悪い癖は

すぐに他の女を昔の恋人に

重ねてしまうことである。


「あぁ。よろしく。

とりあえずここに入ってろ。

飛ばなくていいから楽だぞ」


ジオは言って

胸ポケットをつまむ。


『へへっ♪お邪魔します』


キミは笑って

ジオの胸ポケットの中に入った。


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