シェリの旅路

「何の調査なんだ？」


ジオは問う。


フランの予想通りの返答だ。


「最近、近隣の町の人々が

石になっているという噂が

町で広まっていて。

いくつかのグループに分かれて

様子を探るようにと

町長からの命令で」


「……最近、変な風が吹いて

人々が石になってるんだ。

たぶん、君が向かおうと

している町からオレは来た。

みんな石になってたよ」


ジオの目から見て、

目の前にいる少女は

町の代表で危険な旅を

させられる対象とは思えない。


「風？……なぜあなたは

石にならないの？」


フランの問いにジオは

怪しい少女に事を話して

いいのか戸惑い口を紡ぐ。


『それはジオが共鳴者だからよ』


キミが胸ポケットから飛び出した。


「!?よ、妖精!?」


フランは驚いた演技をする。


「こ、こら！馬鹿！

何出てきてんだよ！」


ジオは突然飛び出したキミに

怒鳴る。


『だってジオ

じれったかったんだもん』


キミは頬をふくらませる。