シェリの旅路
(今の風は石に

……女の子は無事か!?)


ジオは風が止んだ後、

目の前にいた少女が石になって

しまったと恐怖を感じた。


今まで話していた人間が

物言わぬ石になるのは

初めて体験する残酷な出来事だ。


ジオは恐る恐る目を開けた。


(……私が共鳴者だって

バレたわね)


フランはため息をつく。


「石になってない!?」


ジオは驚きと歓喜が混ざった

口調で言った。


『本当だ!

じゃあ、あなたも共鳴者ね!』


キミは複雑な気分で言った。


仲間を見つける事が出来たのは

嬉しいが、同時に彼女も

何か心をなくしている者だと

いうことになるからだ。


「……はぁ。

バレちゃ仕方ないわね。

私、あなた達のこと水晶玉で

見てたのよ」


フランは態度をコロッと

変えて言う。


「……どういう事だ?

まさかお前が愛をなくした者か?」


ジオは警戒して身構える。


「そんなわけないでしょ。

私は魔法使いであって

魔女じゃないわ」


フランは善者である魔法使いの

誇りを持って言う。


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