シェリの旅路
「じゃあ、なぜオレ達を

見ていた?」


ジオは問う。


「旅の途中、買い出しに

行こうと偶然寄った町の人達が

石になってたの。

すぐに魔術師の仕業だって

気付いて、近隣の町も被害に

あっているのか様子を水晶で

探っていたらたまたまあなた達

が映ったのよ。その時に共鳴者

とか気になる言葉を

言ってたからその真相を

確かめるために近付いただけよ。

そういうことで

もう用はないから行くわね」


フランは誤解を解くつもりは

なかったが強く振る舞おうと

必死になっている怯えた青年を

見て、気の毒に思い説明した。


何より自分が魔女と

思われるのが一番嫌だった。


『待って。一緒に旅して

愛をなくした者を

助けなきゃなんだよ?

共鳴者としての使命を

果たさなきゃ』


キミは去ろうとする

フランの前に飛び出した。
< 72 / 261 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop