シェリの旅路
「……信じる」


ジオは恋人との楽しい思い出を

思いだし、呟いた。


『?ジオ、今なんて?』


「……君がなくしたのは

信じる心だ」


ジオはフランを見た。


(……。信じる心、ね)


フランはジオにしてやられた

気分だった。


「……そうね。

そうかもしれない。

私は他人が信用できないわ。

この世に信じられるものなんて

ないのよ」


フランは冷めきった目付きで

言った。


「お前の言う通りかもな。

……オレはどこかでミルを

信頼してなかったのかも

しれない。」


ジオはフランの言葉を聞いて

落ち込む。


『ちょっとジオ。大丈夫?』

キミはフランに続けて

憂鬱になってしまったジオを

見てがっくりと肩を落とした。


「ミルって誰よ?元恋人?」


フランは鼻で笑いながら問う。


「あぁ。ものすごい美人で……

愛してたけどフラれるのが

怖くて別れたんだ」


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