シェリの旅路
落ち込んで自分の殻に

閉じこもってしまったジオを

よそに女二人は朝食をとる。


「妖精も食事するのね」


フランはキミに頼まれて

パンを小さくちぎって渡す。


『うん。お腹すくから。

人間だった時のキミは眠り

続けてるの。だから、キミが

ご飯食べないと栄養がなくて

死んじゃう』


(……妖精って奥が深い。

小さくしてゆっくり

食べてるけど、私と同じ量は

食べてる。キミが食べた分は

人間のキミの栄養になるから

あの小さな体にあれだけ

入るのね)


自分より大きなパンを

完食しようとする

キミの豪快な食べっぷりを見て

フランは思った。


『ジオも早く食べなさい。

ジオは勇気、フランは信頼の心

を取り戻して、仲間を探して

仲間もなくした心を

取り戻して、愛をなくした者を

救って世界が元に戻れば

旅はおしまい。

キミはみんなの心を取り戻す

お手伝いするけど

フランも手伝ってくれれば

旅は早く終わるんじゃないかな?』


キミはジオの口に無理やり

パンを詰め込みながら言った。

「気が向いたらね」


フランは水晶玉を見て言った。
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