シェリの旅路
翌朝、一番に起きたキミは

夜更かししていたフランは

起こさず、ジオだけを

起こしに行った。


『ジオ、起きて。朝だよ』


頬を叩いても起きないことは

検証済みだったので

キミはジオを起こす時は

まつげを引っ張ることにした。

人間は寝ている時にまつげを

触られると不快感を覚えて

目を覚ます。


「う゛う゛ん。……あ?キミか?」


ジオは眠い目を擦りながら

身を起こした。


『おはよう』


キミは笑顔で言う。


ジオはゆっくりと

背伸びをしてから問いかけた。

「フランは起きたのか?」


『フランは遅くまで水晶玉で

仲間を探してくれてたから

もう少し寝かせてあげなきゃ。

朝ご飯作ってフランが起きるの

待ってよう』


キミはフランが寝不足に

ならないよう気遣った。


ジオが身支度を整えた後、

二人は食事を作り始めた。
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