キライのちスキ


「…ひどっ」


水樹が口を尖らせながら拗ねていた…


クールな顔して俺様

俺様のクセして甘えた…

水樹の口を尖らせるクセが…

あたしは大好きだった…


これをされると、なんでも許してしまった…

でも、今は…


「…キモッ!可愛いつもりかよ」

「昔から毒舌だったけど、今は一段と毒舌だな」


……そうかな?

対して昔と変わらないと思うけど…


「あたし、帰る…「場所あんの…?」」


……えっ?

帰る…場所…?


……あぁ、そっか

昨日あたし彼氏と別れたんだっけ…?


帰る場所…ないじゃん…


あたしは、彼氏と同棲してた…

彼は、職場の上司…


優しくて、大人で、頼りになって…あたしの事を1番に想ってくれてた…


あたしはそんな彼が大好きで…大好きで…

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