ポーカーフェイスとあまえんぼ
「千里さん?」
あー、恥ずかしい。
「千里さん。」
明日は、綾と葉月のダブル尋問だろうなぁ……。
「千里さーん。」
ニヤッと笑うふたりの顔が浮かんできて、
ゾクッと身震いした。
「千里さん!!」
「ふぁいッ!!」
いきなり葵くんの声が聞こえて、変な声が出た。
「何回呼んでも上の空だし……。」
「え、ぁ……ごめんなさい。」
呆れた顔を向ける葵くんに、シュンとして謝る私。