ポーカーフェイスとあまえんぼ
葵くんの声に顔を上げると、
「わぁぁ……!!」
そこには、夕日でオレンジ色に染められた海が広がっていた。
「いつだったか、姉貴と俺で来たことがあって。」
「へぇー!!」
私は景色に釘付け。
綺麗……。
「初めてこの景色見たとき、俺、
“彼女ができたら、絶対ここに連れてこよう。”
って思ったんだ。」
「そうなんだ……。」
嬉しい。
凄く嬉しい。
「ねぇ、葵くん。」
「ん?」
私の方へ振り向く葵くんに、
私は、初めて
チュ……。
自分からキスをした。