ポーカーフェイスとあまえんぼ


「今日、海、ありがとね。すっっっっっごぉい綺麗だった!!」


“すっっっっっごぉい”を強調する千里さんに、笑みがこぼれた。


「それはよかった。
じゃあ、また。」

「ぁ……、うん。」


千里さんに寂しいって思ってほしくて、わざとさらっと別れようとした。


「寂しい?」


寂しそうな表情を浮かべる千里さんに、俺は心の中で、
“大成功”と呟いた。


「へッ?!」

「千里さん、今、寂しいって顔してた。」


俺がそう言うと、
千里さんの頬がたちまち真っ赤に染まった。


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