ポーカーフェイスとあまえんぼ
……へ?
「そーなの?」
「そーなのって先輩……もしかして、西山中の応援に来たんですかぁ~!!」
私は、
“先輩の薄情者ー!!”
と騒ぐ睦をなだめながら、目で葵くんを探した。
「千里さん……。」
睦に隣でぶつぶつ言われてるとき、名前を呼ばれた気がして振り向いた。
「……ぁ。」
いた。
葵くんが、真っ直ぐ私を見ていた。
「睦、ごめん。」
「へっ?!ちょ、先輩?!」
驚いた顔をする睦をよそに、私は葵くんの元へ向かった。