ポーカーフェイスとあまえんぼ
「……じゃぁ、ここで待ってください。」
私は選手出入り口と書いてある所で、葵くんを待っていた。
見慣れたユニフォームが目の前を通りすぎる。
その中のひとりと目があった。
「……森山先輩?!」
「ぁ……、お疲れ様。」
中学の頃、
私はサッカー部のマネージャーと、吹奏楽部を掛け持っていた。
懐かしい顔のなかに、
新しい顔もちらほら…。
「森山先輩、なんでいるんスか。」
「ぇ、あー、観戦しに……。」
敵チームの応援なんて言えない。