王子の憂鬱
中にいたのは顔の整った男子二人。
「おぉ!!入部希望の子!?」
やけにテンションの高い金髪の人が声をかけてきた。
うん。ちょっとうるさい。
もう一人の人はこっちを一瞥しただけでもう見向きもしない。
黙々とドラムを叩き始めた。
「うるせーよ、唯斗。話してんのに。」
「おまえが騒ぎすぎなんだよ。そこの一年生、やったことのある楽器は?」
「俺はギターです。」
「私はギターとバイオリンとフルートと…」
「合格だ。」
「んじゃあ、これに名前書いて!!」
そういって金髪の先輩が取り出して来たのは入部届け。
サインをし、さっそくパート決め。
よって私はボーカル、蓮はギターになった。