一番星に祈る




教室に戻ると、みんなの視線が一気に俺と真に向けられた。

ニヤニヤして近付いてくるクラスの男たちに囲まれ、俺たちはめちゃくちゃ言われた。



「おいお前ら、まじでデキてんじゃねぇの?」


「さっき廊下で亮が真に迫ってたしなぁ?」


「ふたりで今まで、何してたんだぁ?」


男どもが笑う。

俺と真の真似をして、キスするふりをするふざけたやつもいる。



…真似になってねぇけど。



あぁ…うぜぇようぜぇ…
まじうぜぇ。

くだらねぇことしてんじゃねぇよ。

俺は怒りを押さえ込み、黙っていた。

真も爆発しそうな気持ちをこらえている。




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