一番星に祈る




真も嬉しかったのだろう。

目にうっすらと涙を浮かべていた。


真……。


俺は真の手を掴んだ。

少しびっくりしながらも、真は俺に応えるように手を握り返してきた。



男どもは文句も言えずに、自分たちの席へと戻って行く。


視界が開け、俺の目に中川が映る。


目が合うと中川は俺に微笑んできた。

優しい微笑み…。



俺も思わず、中川に微笑んでいた。


中川はそんな俺に驚き、でも嬉しくてたまらない様子で、友達のところへ戻って行った。




中川……



サンキューな。






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