一番星に祈る



気持ちを落ち着けて、また俺は話し始めた。


「何気なく見た夜の空に、すっげぇ星が綺麗に出てたんだ…。そんな満天の星空をみてたら……」



また泣きそうになる。


俺、いつからこんなに泣き虫になったんだ?



「星と彩華ちゃんの涙が、かぶった?」


真が優しく微笑んで、目に涙を光らせながら、俺の代わりに言った。



真は俺の気持ちをすぐにわかってくれる。

悟ってくれる。

ほんとに、びっくりするくらいに。


俺は下を向き、目を押さえ、歯を食いしばって、小さく頷いた。



中川を泣かした後悔が…

涙に変わる。







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