一番星に祈る




「一番星を探して、見つけては祈るんだ。中川の涙に似た星に、"ごめんな"って、祈るようになった。」


止まらない涙がズボンに染み込み、あぐらをかいた俺の足まで染みてくる。


俺、どんだけ泣いてんだ…。



「亮……お前の、彩華ちゃんを想って流すその涙が、亮が彩華ちゃんを好きだっていうしるしだって、俺は思うよ。」


…え?


「好きな人を想うと、涙が止まらなくなる。俺も…他のやつらも…彩華ちゃんも…みんなそれは同じだ。」


中川を想うと、涙が溢れる。

最近はずっとそう。


俺は………



「亮、人を好きになることは、恥ずかしいことじゃないよ?」



俺は…………………




「真…。」




俺は……………………………







「中川が好きだ…。」







「…はは。気づくのおせぇよ。」


真は呆れ顔で涙を流し、俺の頭を撫で回した。



原因不明の気持ちの正体をつかみ、心のモヤモヤが晴れていく。

俺は…
















中川彩華に、恋をした。








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