幼馴染みが好き


「だったらほらぁ!早くしなよぉ、悠樹くん待たせちゃうじゃん!」

私は涙をこらえながら、松葉杖を横に置き、膝を床につけた。

両手をつけて、頭を下げた。

「心配かけて…すみませんでした!」

骨折などお構いなしに土下座させる紗希は凄いと思った。

悔しさと悲しさと、怒りと、呆れ。

感情がごちゃごちゃになった頭は、今にもパンクしそうだ。

「もういいって!友美、頭上げろよ!ほら」

悠樹が屈み、私をゆっくり立ち上がらせてくれた。

そして最後に松葉杖を渡した。

「友美ぃ、悠樹くんが優しい人でよかったねぇ!」

明らかに嫌みたっぷりの言葉を私にかけた。

目も笑ってないし。

「う、うん…。悠樹、ありがとう」

私も笑えてないだろうな。

あー涙目になってきちゃった…。

耐えられないよ。

私は、悠樹が席に座ったのを見届けると、また、屋上に向かった。



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