とらべりんぐトリオ
ペラペラなわけじゃない。

ご丁寧な事にポリゴンみたいな立体だ。

「あ、それな。この町の周りには特殊な結界が張ってあるから、境界線を超えたものはみんな紙になるんだ。いいね♪その初々しいリアクション。」

「…戻るんでしょうね。」

もうネコ人間の時点で自分の体じゃないけど、それでも紙はヤダ。

お風呂に入ればふやけてシワシワ、風が強ければ飛ばされて、ほんのささいな事で破れてしまう。

あっ、とかいって腕がもげる事だってあり得るわけだ。

「さぁどうだろうな♪…って待て待て!爪をだすな!」

「ビリビリに引き裂かれてゴミ箱に放り込まれたくなかったら元に戻して。」

「大丈夫だって!町から出れば直るから!頼むから止めてくれ!」

おっ、とアケビが遠くを見る。これは話を逸らす気だな。

「見えてきたぞ!あれが俺達のギルド。『探し人の森』だ!」
< 23 / 86 >

この作品をシェア

pagetop