とらべりんぐトリオ
「なぜって、さっきサルビアが言ったじゃん。ギルドに登録してもらいに来たの。」

「そうではない。」

ならなんだ。なにが言いたいんだこの人は。

「何故、この世界に来る事になったのかと聞いておるのだ。」

あぁ、なるほど。

アケビがしたみたいに、私についての情報を教えろって事か。

私達が車に跳ねられた事を話すと、彼は少し考えてから口を開いた。

「その『くるま』というのはどんなものだ?あやかしの類か?それともはやり病か?そもそも、跳ねられたとはどういう事だ?」

…はい?

「ごめんサルビア、通訳お願い。」

助けを求めると、サルビアは頭が痛いとでもいうように、自分のコメカミのあたりをグリグリしている。

「この人が死んでファンタジアに来たのは江戸時代。つまり約300年前。だから時代劇の登場人物と話してると思ってちょうだい。」

「………マジで?」

「マジよ。少しは現代の事も学習してくれればいいのに。」

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