とらべりんぐトリオ
「まぁ今は拙者のことよりもこの新参者だ。まずは名前だな。おぬし、なんと名乗る?」

いろいろと考えてはいた。アケビから話を聞いた時から。

「えっとね。『タイム』がいい。」

タイム。

白く小さな花を咲かせるハーブ。

花言葉は

『勇気』

2人が

イサナとフウカが

ユウにぴったりだって言ってくれた花。

あの時は確か、フウカを泣かせた不良に仕返しに行ったんだ。

イサナも助太刀に来てくれたし、口喧嘩で勝っちゃったからそこまで大変じゃなかった。

けれどフウカは言った。

「自分より強い人に、他人のために戦いを挑めるのは、勇気だよ。」って。

家が花屋のフウカらしい例えだった。

はにかみながらありがとうって笑って、でも無茶しないでって釘を刺された。

違いないってイサナも笑って、今度の殴り込みには自分も誘えって怒られた。

これなら、きっとわかってくれる。

大丈夫。

「そうか、ならばタイム。今日からおぬしは我らが仲間。よって、証を授けよう。」
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