とらべりんぐトリオ
「ちょっと!?今の冗談だから!真に受けないで!」

大慌てでわたわたと小さな両手を振り回しながら、私に迫ってくる。

「大丈夫だよ。ちゃんと助ける。いいこと思いついたの。」

ニヤッと笑ってみせると、サルビアは怪訝そうに私の目を覗き込む。

「どうやるの?」

「これを使うの。」

私達は、武器を取り戻した。

せっかくなんだから、使わないとね。

魔器も実戦で試してみたいしさ。

「とにかく、逃げよう。私に捕まってて。走るよ。」

私はネコだ。

誰より素早く、俊敏に走れる。

地下牢から1階への扉は固く閉ざされているから、玉座の間まで戻って退路を探そう。

あそこはかなり高い階層なんだろうけど、私なら(多分)飛び降りても大丈夫。

それに、これからの作戦を実行するには、都合がいいしね。
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