とらべりんぐトリオ
「ところで、先ほどのネコ人間はどこへ?姿を見ませんでしたが。」
シアは王女を連れ立って、会議室へ向かっていた。
「えっと…。お話が済んだから地下牢に帰ってもらったの。いいコだから、出してあげてよ。」
「ご冗談を。このような騒ぎを起こした賊ですよ。解放などありえません。」
近頃、王女は本当におかしい。
仕草、表情、動き。全てが違う。
なぜだ?
何が起こったんだ?
「なんで?私が信用できないの?」
困ったように、上目遣いでこちらの目をのぞきこんでくる。
彼女のこんな目は初めて見た。
「まさか。しかし万一の事があってはいけませんので。」
「万一の事なんかないから大丈夫だってば。」
まただ。
王女はこんな根拠のない自信を持たなかった。
いつだって理論的だった。
今の王女も、悪人なわけではない。むしろ以前よりお人好しになった。
しかし、城内に潜り込んだ賊にすら憐れみをかけるようでは困る。
国を背負っていくには、全てを許す聖人よりも、腹に一物抱えた古狸の方がいいのだ。
それに、とシアは思う。
僕は寂しい。
目の前に王女はいる。
しかし、彼女は変わってしまった…
シアは王女を連れ立って、会議室へ向かっていた。
「えっと…。お話が済んだから地下牢に帰ってもらったの。いいコだから、出してあげてよ。」
「ご冗談を。このような騒ぎを起こした賊ですよ。解放などありえません。」
近頃、王女は本当におかしい。
仕草、表情、動き。全てが違う。
なぜだ?
何が起こったんだ?
「なんで?私が信用できないの?」
困ったように、上目遣いでこちらの目をのぞきこんでくる。
彼女のこんな目は初めて見た。
「まさか。しかし万一の事があってはいけませんので。」
「万一の事なんかないから大丈夫だってば。」
まただ。
王女はこんな根拠のない自信を持たなかった。
いつだって理論的だった。
今の王女も、悪人なわけではない。むしろ以前よりお人好しになった。
しかし、城内に潜り込んだ賊にすら憐れみをかけるようでは困る。
国を背負っていくには、全てを許す聖人よりも、腹に一物抱えた古狸の方がいいのだ。
それに、とシアは思う。
僕は寂しい。
目の前に王女はいる。
しかし、彼女は変わってしまった…