とらべりんぐトリオ
アケビの上に降りかかっていた水はさらに増し、今や城の廊下は流れるプールのようになり始めている。
「うーん、ここまでやっちゃうかぁ。」
「なにを呑気に言っているのです!」
フウカは迫り来るその水から逃げていた。
シアに担がれ、家来達と一緒に。
「大丈夫だよ。危なくないから。」
「これのどこがでございますか!?」
全速力で走るシアの肩の上で、俵のように横向きにされたフウカは完全にリラックスしている。
「だってユ…じゃないや。えっと、これやってるのがネコさんだからだよ。」
「余計に心配です!やはり賊の仕業ではないですか!」
「なんで信じてくれないのかなぁ?」
「なぜ信じられるのですか!?」
叫ぶシアに、家来の一人が怒鳴る。
「ダメだ!追いつかれる!シア、王女を離すな!結界を張るぞ!」
家来達は隊列を組み、呪文を唱える。
『護れ!』
突如現れた半透明な障壁に激突してきた水は、轟々と流れる川のようにまで成長していた。
「わあ!すごい!水族館みたい!」
危機感無くはしゃぐ王女に呆れかえりながら、シアの視界の端で何かが動いた。
そちらを見ても何もない。
しかし、水の中で何かが泳ぐように通り過ぎたのを、確かに見た。
「うーん、ここまでやっちゃうかぁ。」
「なにを呑気に言っているのです!」
フウカは迫り来るその水から逃げていた。
シアに担がれ、家来達と一緒に。
「大丈夫だよ。危なくないから。」
「これのどこがでございますか!?」
全速力で走るシアの肩の上で、俵のように横向きにされたフウカは完全にリラックスしている。
「だってユ…じゃないや。えっと、これやってるのがネコさんだからだよ。」
「余計に心配です!やはり賊の仕業ではないですか!」
「なんで信じてくれないのかなぁ?」
「なぜ信じられるのですか!?」
叫ぶシアに、家来の一人が怒鳴る。
「ダメだ!追いつかれる!シア、王女を離すな!結界を張るぞ!」
家来達は隊列を組み、呪文を唱える。
『護れ!』
突如現れた半透明な障壁に激突してきた水は、轟々と流れる川のようにまで成長していた。
「わあ!すごい!水族館みたい!」
危機感無くはしゃぐ王女に呆れかえりながら、シアの視界の端で何かが動いた。
そちらを見ても何もない。
しかし、水の中で何かが泳ぐように通り過ぎたのを、確かに見た。