とらべりんぐトリオ
さらに集中を高めて、探す範囲を広げる。

半径300メートル、無し。



500…無い。









600、まだ見つからない。









……1キロ

「何よ、これ。」

顔から熱が引いていく。

背筋に悪寒が走る。

相変わらずカスタネットは見つからないけれど、そんな問題なんか吹っ飛んでしまうほど大変なものを見つけた。


街は包囲されている。


どす黒くてトゲトゲして全てを拒絶するような邪悪な魔力が、大群となって四方八方から押し寄せてきているのだ。

「…何てこと、リヴァイアだわ!」

早くここから逃げなければ。彼らには同情こそすれ、糧になってやる義理はない。

その時、リヴァイア達の他に巨大で凶暴な魔力をが探知している範囲に入ってきた。

「…………まさかね。」

この全てを壊してしまいそうな、今にも暴れ出しそうな魔力は…










ドラゴンではないだろうか。
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