二重人格



「どんなイケメンかな?」

美咲はまんべんの笑みを浮かべながらそう言った。

『えっ、あぁ…ねっ』


「イケメン?」

そう後ろから乗り出してきたのはタケ。

タケは一応この学年で一番のモテ男。
背は高く色が白く大きな目をしていた。
顔も小さく、バスケが得意だった。

これを聞いただけでもかっこいい事くらいは誰だって想像つくだろう。


「お前は黙っとけ」

美咲はタケを睨む。


この二人は小学校からの幼なじみ。
美咲とタケが仲良いと必然的に私とタケは仲良くなるのが私達のルールだった。


「さて、今日から教育実習生のくる期間が始まります」


校長の前置きは信じられないほど長かった。


そして気づいた時には学校全体がどよめき始めていた。


「イケメン!」だの「やばすぎ!」だの「かっこいい!」だの「ヤバいヤバい」だの。


信じられないくらいの騒ぎだった。



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