二重人格
「俺は嫌だな、あいつ」
タケはそう断言した。
お昼は絶対にバスケ倉庫で美咲とタケと食べるルール。
タケは意外にも人と関わるのが嫌いな人だった。
私とそっくりな性格。
だから、男子でも親しみやすい。
「それは負け惜しみでしょ、モテ男くん」
美咲は決まって焼きそばを毎日食べた。
「だってさ、あいつ先生のくせしてチャラチャラしてたし」
タケはボールをクルクル回した。
『私もそう思う』
「だろっ、やっぱり薫はマドンナだけあって男をわかってる」
タケは誇らしげに私を見て私に接近した。
「うるさい」
そこからと言えば、この学校ではお姉ちゃんの彼氏の話題で持ちきりだった。
もちろん、今更お姉ちゃんの彼氏だなんて言える状況ではなく。。
私は赤の他人として生活する事にした。
だけど…